モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番、第21番
レビュー
あらゆる点で完璧なモーツァルトがここにある。ぴちぴちと若鮎が跳ね返るようなリズムと絶妙の息遣い、神々しく光り輝く宝石のような音色、可憐にささやきかける優しい歌! 現代最高のモーツァルト弾き、グルダのピアノの至芸には、ひたすら惚れぼれ聴きこむしかない。
生粋のウィーンっ子で、巨匠バックハウスらの後継者的なポジションにありながら、旧弊に満ちたクラシック音楽の保守性を否定し、インプロヴィゼーションもジャズも、作曲にも歌にも、破格の閃きを見せたウィーンの反逆児グルダが、得意中の得意とし、他の追随を今もって許していないのが、モーツァルトの一連のピアノ協奏曲である。 とりわけアバド指揮ウィーン・フィルと共演したこの録音は、威厳と品格に満ちた管弦楽もすばらしく、ピアノと弦や木管がからみ合いながら、細部まで冴えに冴えていく音楽の表情が抜群にみずみずしい。 胸を締め付けられるような哀愁の「20番」、極上の気品とエレガンスに酔う「21番」、どちらも、人類の宝とでもいいたくなる永遠の名演奏である。(林田直樹) カスタマーレビュー
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